大相撲の番付の読み方と意味は?ピラミッドの上がり方をわかりやすく解説

大相撲の番付の種類やピラミッドになっている厳しい縦社会について詳しく紹介します。力士は常に番付に支配されていて、力士の運命を握っているものが番付と言えます。今回は番付の意味や階級の種類、それに伴う権利や給料など詳細を解説します

大相撲の番付の読み方と意味

大相撲の番付は、ばんづけと読みます。番付は大相撲ではなくてはならないものであり、力士の運命を決める重要な階級であります。

全ての力士はこの番付を上げるために猛烈に稽古を

毎日繰り返しているのですが、日常生活においても

番付によって給料の金額や許される権利が異なります

今回は大相撲の世界に入門して潜り抜けていかねばならない

番付の種類や階級の違い、番付というミッションについて紹介し、

それを乗り越えていく厳しさや手に入れることができる収入や

権利などについて紹介していきます

新弟子検査

力士になるためにはまず、

新弟子検査に合格しなければいけません

その条件とは

義務教育を終えた23歳未満の男子であること

親の承諾書や本人の意思確認書などの

書類を提出すること

健康診断や検査に合格すること

身長167センチ以上、体重67キロ以上という

条件を満たせば

新弟子検査に合格し、前相撲に進めます

また、この番付外の時には

一切収入はありませんので

家族や周囲の協力が必要です

前相撲

前相撲とは新弟子検査に合格し

間もない者で、

まだ、番付に四股名も載らない状態

のことで番付外とも言います

中学校を卒業してすぐに入門、

いわゆるたたき上げの力士もいれば

年齢条件を満たしており、

普通に新弟子検査を受けて合格して

入門する者もいます

前相撲とは、新弟子同氏の取り組みで

本場所の前に行われ、

初土俵とも言います

そして特例としてあるのが格付けです

高校や大学の相撲部で、好成績を残しその内容に応じて幕下最下位格、

三段目最下位格の資格を得た力士もいます

そういう力士を格付け出し力士

と言いますが、

格付け出し力士は

将来の横綱候補ともいえるので、

前相撲なしで幕下や三段目で

すぐに出場でき、

それが初土俵となるのです

格付け出し力士以外の力士は

前相撲が終わると序ノ口に入ります

それでは、番付の種類と人数・定員

収入などについて見ていきましょう

各人数は令和6年9月場所の時点の数字です

序ノ口

序ノ口は34 人

昔は上ノ口として、番付のあがり口と

言われましたが、上の位かと

紛らわしくて序の口になりました

序ノ口から幕下までの力士は

15日間の本場所のなかでは、

7日間だけ相撲を取ります

その中で4勝以上すれば番付は上がります

勝ち越せば番付は上がりますが、

全敗しても序ノ口には残れます

序ノ口から幕下以下の力士には給料はありません

そのかわり、

給料は出ませんが本場所ごとに

場所手当が支給されます

年6回の場所ごとに7万7000円もらえます

序ノ口は年額約46万2千円

そのほかには、相撲で相手に勝つことを

白星とか、勝ち星と言いますが、

勝星奨励金は1つあたり1,500円

勝ち越しできれば勝越金3,500円

というように加算されていくのです

かりに、7戦全勝すれば、

場所手当+勝星奨励金7勝分+勝越金7点分

で91000円となります

さらに、序ノ口優勝賞金は10万円なので、

191000円となりますね

そして

勝ち越した場合は

全員序二段に昇進できます

全休してしまうと

再度番付がいに落ちてしまいます

ということで

序ノ口の年収は50万円くらいです

毎朝早く起きて掃除や洗濯、

トイレの掃除など

とても忙しい日々を過ごします

稽古の後にはちゃんこやふろの準備など

雑用もこなさなくてはいけません

下済みの生活も修行のうちなのです

序二段以下の力士は、

普段用として下駄を履きます

番付の中では最下位ですので

この年収だけでは生活に困りますが

住居や食事などすべては

相撲部屋に所属していますので

食事はおなか一杯食べることが

できますが、小遣いは

親からもらう力士もいます

序ノ口、序二段の服装は一緒であり、

着物にポリエステルの帯、素足に下駄です

ちなみに補足ですが

11月・1月・3月の各場所は着物

5月・7月・9月の各場所は

浴衣に衣替えします

序二段

序二段は196人います

番付の中でも一番力士の

数が多いのが序二段です

序二段と序ノ口の目安は

大体決まっています

新卒で新弟子が多い5月場所のみ、

序二段と序ノ口の割合は

序二段3で序ノ口1、5月場所以外は

序二段4対序ノ口1 が目安となっています

年六回の場所ごとに8万8000円もらえます

序二段は年額約52万8千円ですが

次の通り勝つほど報酬は増えていきます

勝星奨励金は1つあたり1,500円

勝ち越しできれば勝越金3,500円

7戦全勝すれば、

場所手当+勝星奨励金7勝分+勝越金7点分

102000円円となります

優勝賞金は20万円なので302000円ですね

昇格条件は

20枚目以内で4勝以上

37枚目以内で5勝以上

70枚目以内で6勝以上

7戦全勝すれば番付、

優勝の有無を問わず無条件で昇進できます

なお、序二段の服装は序ノ口と一緒です

三段目

三段目は現在180名です

序ノ口、序二段ときて下から三段目ということではなくて

上から数えて三段目ということに

由来しますが、詳細については不明です

パソコンや携帯電話、スマートフォンは、

三段目に昇進できれば使用できます

三段目は定員があり、

東西90名ずつの計180名となっています

現在は180名で、

力士がしのぎを削りながら、

戦っているのです

このあたりにくると序ノ口、序二段と

約250人から、

勝ち上がってきたということなので、

相当力がついてきて、

体つきもたくましくなり、

相撲取りといった風格も出てくるところですね

下駄からエナメル敷の雪駄を履くことができます

足袋の色は黒です

さらに公式の場では

着物に羽織をきることもできます

まず入門すると、

この雪駄を履くことが目標になるわけです

また付き人として親方や十両や幕内の

先輩力士にもついていき

お世話をします

兄弟子のお尻を拭かされる付け人も

かつてはいたといいます

三段目のなかからさらに上を目指すのが

さらに大きな壁になります

大学時代に相撲選手権で16強など

好成績を残せた付け出しが

登場するのも三段目からです

安治川部屋の安響力響(あんひびき・かおと)は

三段目の格付け出し資格を持ちなが

自ら権利放棄して

前相撲からとることを選択しました

あえて序ノ口からスタートしているので、

奇特で素晴らしい覚悟ですね

序ノ口では7戦全勝で、

下からのスタートは良い経験になる

この7勝は今後につながる

といい、

4年以内に関取になること

一番下の番付から着実に

番付を上げていくつもりだ

とはなしていました

ここで挫折する力士も多いです

お手当は年六回の本場所ごとに11万円もらえます

三段目は年額約66万円

勝星奨励金は1つあたり2,000円

勝ち越しできれば勝越金4,500円

7戦全勝すれば

場所手当+勝星奨励金7勝分+勝越金7点分

128500円で優勝賞金は30万円なので

428500円になります

三段目に昇進すると

昇進条件は10枚目以内で4勝以上

25枚目以内で5勝以上

50枚目以内で6勝以上

51枚目以下で7勝すれば、無条件で昇進できます

幕下

幕下は東西それぞれ六十枚目までで120名です

幕下に来るといよいよ十両に

一番近づいて来ますので

関取予備軍とも言えますから、ますます力が入ります

幕下のお手当は16万5千円で、

年に六回なので年額約99万円

勝星奨励金は1つあたり2,500円

勝ち越しできれば勝越金6,000円

7戦全勝すれば

場所手当+勝星奨励金7勝分+勝越金7点分

188500円

優勝賞金は50万円なので、688000円です

幕下に昇進すると献上柄の博多帯を

締めれるようになり、

外套というコートを着れます

さらに番傘、マフラーを着用できるのも幕下からです

幕下の中には十両や幕内経験者が多く

大関や三役経験者もいるので

今までと違い最強の相手ばかりになります

2024年7月14日、名古屋場所の14日目、

西ノ龍のフック気味の左張り手がさく裂

まともに受けた草野は、

腰砕けのように後ろに崩れ落ちると、

あおむけのままピクリとも動かず

脳振とうで意識を失い、

土俵脇のストレッチャーに乗せられ、

花道を下がり、まわし姿のまま救急車で病院へ運ばれました

関取と幕下の差は大きすぎるので

ここでの勝ち越しか負け越すかでは

天と地の違いなので

特に幕下上位の取り組みは

激烈な戦いになります

十両に上がるには

10枚目以内で4勝以上

25枚目以内で5勝以上

50枚目以内で6勝以上

51枚目以下で7勝できれば、無条件で昇進

しかし、幕下から十両への昇進条件は、

10枚目以内で4勝できれば、

十両へ昇進できるシステムですが、

人数の関係で

それができないこともあります

東幕下2枚目で4勝を挙げた大成道は

翌場所「西筆頭」止まり

その場所も4勝を挙げたが、

東にスライドするだけでした

番付編成会議で十両の昇進が

決まっている力士から優先して

十両昇進が行われますから運もあるのです

ということで勝てば勝つほど

番付は上がるし、報酬も増える

これが大相撲の世界です

これだとモチベーションが上がりますね

しかし、これらが給料ではなく

場所手当と言われていて

一人前の力士とは言えないので

とても厳しい世界なのです

実は力士のほとんどを占めている幕下以下

幕下、三段目、序二段、序ノ口の力士は

関取になっていない「養成員」と

呼ばれていて、給与はないのです

まわしは稽古も本場所も黒いまわしです

このように、年に六回開催される

本場所ごとに場所手当が

支給されていて、

衣食住は相撲部屋にいる限り

生活に困ることはありません

この中から関取に上がれるのは

全力士の何パーセントになるのか

ということですが、

序ノ口が34人序二段は196人、

三段目が180人、

幕下が120名でその中から関取の定員は

十両の定員は28人、幕内は42名で

給料がもらえるのは70名です

34+196+180+120で530人からとすると

全力士の13%の力士しか

給料がもらえないのです

幕内力士だと7%の力士しか

なれないのですから、

競争率はすさまじいですね

十両

数々の激戦を勝ち残り勝ち上がってきて

ようやく一人前と呼ばれるのが十両です

江戸時代に1年間のお給料が

10両だった力士を

指していたことに由来します

1両は13万円と言われているため、

年間130万円程度の

お給料だったことになりますから、

現在の幕下と同等と言えます

十両になると四股名を変える力士が

多いのも事実です

地元に帰り市役所や母校に報告に行くのが通例です

幕下と十両の差は天と地ほど違います

十両になれば毎月110万円の給料となり、

付き人がついて

身の回りの世話をしてもらえるのです

年収は1700万円以上で、

後援会もでき、ご祝儀や

応援するファンも増加し、

人気力士はテレビCMの出演以来が来たり、

人気テレビ番組からもオファーが来ます

ちょんまげから大銀杏を結い、

稽古場では白まわしをつけます

個室も与えられて

今までの掃除や雑用

大部屋の生活から解放されます

本場所では150万円相当の

好きな色の締め込みをつけられます

服装も激変し、経済的にも豊かになり、

結婚する力士も多いですね

外出時は羽織袴を着て、

雪駄も畳敷きの素材のものが使えます

呼び方も大の里から

大の里関と呼ばれるようになります

マンション購入や自宅を新築することも許されます

関取にはほかにも恵まれた待遇があり

養老金と呼ばれる退職金

や親方や年寄になる資格も与えられますから、

引退後の道も安泰と言えるでしょう

千代の富士は引退時に

一億円の養老金を受け取りました

幕下では

場所手当しかもらえませんので

十両の12分の1です

年収がたった100万円くらいで

付き人をして

こき使われても文句を言えないのです

新十両昇進までの最速力士は

貴乃花で17歳で達成し

平成の大横綱になりましたね

その反対に、一番遅かった力士は、

初土俵から所要114場所と史上最も遅い

新十両昇進記録を持つ出羽の郷

出羽の郷は1986年夏場所に初土俵を踏み、

2005年夏場所に戦後最年長の

34歳5カ月で新十両昇進を果たしました

初土俵から19年かけて関取になりました

出羽の郷は44歳まで現役を続けました

関取への執念は、すごいですね

ただし、十両になれば

今まで7回の取り組みから、

15日間毎日出場しなければならず

鍛え上げなければすぐに幕下に陥落します

ケガで休場すれば番付は下がり続けます

また、懸賞金は原則中入後の取組に懸けられ、

十両以下の取組は懸けられないです

前頭

前頭の語源は江戸時代は、

役力士と前相撲の間にいる力士のことをさしました

つまり、いまでいうなら、

三役力士と番付外の力士以外は全員前頭だったのです

現在では、

前頭は役についていない幕内力士

のことで、ひらまくと言います

定員は特に定められていないが幕内力士の定員の42人から、

横綱、大関、関脇、小結

を引いた残りの36人が目安です

月給は140万円で年収は2200万円となります

横綱や三役力士との取り組みもあり、

平幕力士が横綱を倒すと金星といい、

大相撲の番狂わせも見ごたえがあり

力士報奨金が10円×4000倍加算され、

4万円昇給されます、これは永久にです

現役力士では、遠藤、玉鷲、北勝富士の三人が7個獲得していますので、

28万円毎回プラスされるので大きいですね

歴代一位は、安芸乃島の16個ですので

毎月64万円加算されていました

また懸賞は1本7万円ですが、

そのうち3万円が力士にもらえます

勝てば勝つほどもうかるのです

最近は平幕力士の優勝も多くなり、

実力も上がって来たと言えるでしょう

三賞は一本200万円で複数個獲得する力士もいます

優勝賞金は1000万円で大の里は、

令和五年五月場所に初土俵を踏み、

すでに2回優勝しています

小結

江戸時代の書物には役相撲の小口の結びという言葉が由来とされています

小結は三役力士の最下位の関取になります

三役揃い踏みに出てくるのが小結から登場しますね

月給は180万円で2160万円となり、

定員は多くて4名、通常は2名が多いです

そして、三役で直近の3場所で

33勝以上すると大関に昇進できます

関脇

関脇は大関の脇を担うというのが語源です

月給は180万円で定員は多くて4名、通常は2名です

給料は小結と同じ180万円です

あらゆる手当を含むと年収は2800万円になります

同じく直近の3場所で33勝以上すると

大関に昇進できるのですが、

実力は関脇の方が上ですし、

大関昇進するのも関脇からが多いです

優勝経験者も多いですね

大関

関脇の上が大関になります

明治中期までは力士の最高位でした

月給が250万円となり、

関脇の時よりも大幅に増える

相撲協会からの諸手当を含めると

4000万円の年収になります

また両国国技館の地下駐車場に直接自家用車を乗り入れ、

駐車することも可能となる

さらに、海外場所など、

協会の公式の移動においては、

飛行機はファーストクラス、

新幹線ではグリーン席

に座ることができる

力士弁当をプロデュースすることができる

化粧廻しの馬簾の色に紫を使えるのも、

基本的には大関以上の特権です

そして大関は二場所続けて負け越すと

関脇に陥落します

かど番大関は1回目に負け越した時の

大関に付けられる愛称で

崖っぷちという意味でしょう

そして、関脇に陥落してもその直後に、

ひと場所で10勝以上すれば

再度、大関に戻れるという

救済措置もあります

ちなみにかど番の回数は最近引退した

貴景勝は9回で、

一番多かったのが

千代大海の14回でした

本来の大関の使命は

頂点の横綱に昇進することなのです

横綱

横綱の語源は、横にした綱を

腰に締めていることに由来しています

神事の際に、力士の最高位である

大関の中から、

特別に「注連縄(しめなわ)」の

一種である「横綱」を

腰につけることを許された者がいたことに

由来するともいわれています

横綱への昇進条件は大関で連続二回の幕内優勝です

品格・力量が抜群であること、

大関で二場所連続優勝、またはこれに

準ずる好成績を挙げることが

条件となっています

月給は300万円で年収は4800万円となり

付け人は通常、10 – 15人程度

大関と同様に国技館への自家用車での乗り入れや新幹線や飛行機の移動時の

待遇も同様に受けられます

懸賞金の年間獲得金額では歴代一位が

2010年白鵬の2,111本で6333万円の

収入となりました

ご祝儀もいれれば

年収は数億円にもなるでしょう

各業界の社長や皇族とのおつき会いも

出てきますし、各メディアからも複数出演の

オファーが来ます

横綱になると負け越しても陥落はありませんが、自ら引退を決意するか

相撲協会から引退勧告が出るまでは続けられます

横綱の重圧がのしかかることになります

まとめ

前相撲から横綱までの番付の

前相撲・番付外、序ノ口、序二段、

三段目、幕下

十両、前頭、小結、関脇、大関、横綱、

と番付は11階級に分かれています

幕下以下では給料ゼロで、手当のみ、

大部屋での生活で、付き人やちゃんこ番、

雑用もこなしながら、

稽古で体を鍛え上げて

ごく一部の力士だけが、

十両以上に上がり、

恵まれた待遇が待っているのです

強ければ十代でも年収は1000万円を

超えることが可能です

番付が上がるほど人気が出て知名度も

上がり社会的地位が与えられるのです

力によって支配されるのが

大相撲の番付です

全てが番付で決まってしまう

大相撲の世界、

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