普段、大相撲のテレビ中継で何気なく見ている土俵ですが大きさや寸法はどれくらいなのでしょうか?よく見るとでっぱっていて切れ目があるところがあるんですね。
土俵の中でも知らない部分の名称もいくつかあるし、力水の用具の呼び方とか作法でもわからない点もありますね。それと、土俵は女性が上がれないといわれているのですがその理由も気になります。
以上の点について今回は紹介していきたいと思います。
土俵の大きさと寸法は
大相撲で見られる土俵はテレビ中継だと力士の身体が主に撮影されているので形や実際の土俵の大きさや寸法がよくわからないと思うのですが
土俵の大きさは一辺が6.7メートル(22尺)の正方形で土を盛り、高さは約55センチに仕上げて作ります。まるで土でできた舞台のようですね。
これで観客には力士の顔や体がよく見えるようになるわけです。
取り組み中にはこの高さから落ちて負傷する力士もいるので親方によっては危険だという声も出ているのですが、怪我をするようなものは稽古不足だという親方もいます。こういう言い方はちょっとまずいかと思うのですが怪我は相撲にはつきものなんでしょう。
高さがあるからこそ相撲が面白いし、土俵際での攻防が大相撲の醍醐味だとも言われますし長年この形で取り組みが行われてきましたので今後も急に変わることはないでしょう。
土が盛られできた土俵の中央には直径が4.55メートル(15尺)の力士が相撲をする土俵ができるのですがこれを勝負俵と言います。力士同士がぶつかり合っての真剣勝負するところなんですね。
勝負俵に使われる俵の数はぐるっと1周で合計20俵あるのですが、よく見ると4箇所俵の位置が外側にでっぱっているのがわかりますね。
土俵の寸法は昔と比べると力士の身体も大きくなっているので小さいのかもしれませんが今のところ寸法が変わる予定はありません。
引用元:https://www.sizekensaku.com
土俵のでっぱりと切れ目の意味と理由は?
先程もふれましたが、土俵の形をよく見ると東西南北の4か所に切れ目があって部分的に俵が外側にでっぱっていることがわかりますね。
土俵のでっぱっていて切れている理由
土俵の4か所がでっぱっていて切れている理由についてですが、
まずこのでっぱっている俵のことを徳俵(とくだわら)というのですがどうしてこのような俵に切れ目がある形状になっているのかというと元々相撲の土俵というのは屋外にあるもので屋根もなかったのです。
土俵が外にあるものですから、雨が降れば土俵の中は当然濡れて雨水が溜まってしまうので土俵の中には泥水がたまってしまうので土俵が使えなくなってしまうのですがその泥水をきれいに外側へ出してきれいにするために俵に切れ目を入れて俵を外へずらしているのです。もし、この切れ目がないと雨水が土俵からなかなか外に抜けることができなくていつまでも土俵が水たまりのようになったままになるので相撲ができないので構造上困りますね。
勝負俵に使われる俵の数は合計20俵なのですが、徳俵が4つと残りの16俵という内訳になるのです。
徳俵(とくだわら)に足がかかるとは
土俵の構造を見ると東西南北の4か所には俵1つ分が外側に切れていてずらしてあるところがあるのですがこの俵のことを徳俵(とくだわら)と言います。役目は排水機能ということなんですね
また・徳俵に足がかかるという諺(ことわざ)があるのですがその意味は攻め込まれて最後の俵でこらえている様子ということから、「もう後がないよ」「瀬戸際だよと」いう意味になるんだそうです。土壇場とかもはや絶体絶命という言い方もできますね。
徳俵は相撲をする力士にとっては俵1つ分外へ出れるので得するような気分ですがわざわざそれを狙っている力士はいないでしょうね。また最後の逆転で土俵際での決まり手では打っちゃりとか突き落としなどがありますのでこの辺りは相撲ファンにとっては見どころで手に汗握る心境でしょう。
土俵の各名称を紹介
普段土俵の細かい部分についてはテレビでも説明されることはありませんが>仕切り線やどひゅお周辺に施されている蛇の目の砂や力士が撒く塩の箱のサイズなど調べてみました。
土俵の仕切り線
長さ90センチ、幅6センチで、2本の間隔は70センチここで力士は手をついて取り組みが始まるのです。力士も観客も緊張の一瞬ですね。
引用元:https://pixta.jp/photo/28089885
土俵の蛇の目の砂
本場所だけで使われる砂のことで土俵から20センチの幅で敷いてある砂のことで目的は力士が土俵から足が出ていたのかどうか判別するためにまいてある砂のことです。
この作業も呼び出しのやるお仕事なのですが箒できれいに砂を整えておくのですね。
引用元:https://www.niihara-dental.net
物言いがついたときにこれなら一目瞭然ですね。
土俵の水桶
土俵の隅にある水桶は力士がつかう力水が入っているのですが、飲むためではなく、お清めで口をゆすぐためにあるのです。
神社や仏閣に参拝するときにひしゃくの水で口をゆすいでからお参りすると思いますが大相撲でも同じことをしているのです。吐き出すときは備え付けの半紙で隠しながらたらいや排水溝へ「ぺっ」と出しているのです。
引用元:https://amntt.com/?p=160
土俵の塩をまく意味
大相撲には力士が撒く塩はお清めの塩で必需品になるのですが今では照強関が豪快な塩まきをして雪みたいだと観客の楽しみの一つとなっているのです。
塩をまく目的は神聖な場所にするという意味です、
塩箱 – 縦横50センチの正方形の箱で、高さは40センチメートル
竹籠は大きさが22センチの正方形で高さが11センチで塩は伯方の塩が使われていて5キロ入るようです。使われる塩の量は1日に45キロ15日で650キロ以上撒かれるのですごい量です。
引用元:https://www.travel.co.jp/guide/article/3969/
このように土俵には神様がいる神聖な場所であるという考え方で土俵に上がる前には塩でお清めして力水で体も清めてから取り組むという考え方が定着しているのです。
土俵の吊り屋根
大相撲のシンボルと言えるのがこの吊り屋根でお客が満員になると満員御礼と書かれて札が下げられます。
吊り屋根には房がついていてこのように方角で決まっているのです。
青房(東北)…春、東、青龍
赤房(東南)…夏、南、朱雀
白房(西南)…秋、西、白虎
黒房(西北)…冬、北、玄武
引用元:https://search.yahoo.co.jp
重さが総重量6.25トン
縦6.65m、横9.90m
直径2.2センチのワイヤーで吊り下げる
「神明造り」
引用元:https://pixta.jp
土俵の土の種類と重量は
土俵に使われる土の重量は何キロくらで種類はどこの土を使っているのでしょうか?
調べてみました。
両国国技館の土俵の土の種類
両国国技館の場合は毎場所1から作ることはせず、土俵の上から20センチほど土を削り取って新しい土を投入しますが、「荒木田土」(あらきだつち)という土を使っています。
相撲だけでなく、野球のピッチャーマウンドにも採用されて粘りがあって滑りにくいのが特徴なのですね。お相撲さんが力を入れるときに滑っては力を出し切れませんからね。また、粘土質なのでひび割れもしにくいのも土俵に向いていますね。
荒木田土は昔から焼き物や壁土に利用され東京都荒川区荒木田原(荒川区町屋)でよく採れたのでこの名前が付きました。今は採取できなくなったので荒木田土は埼玉県川越市で採取した荒木田土を使い土俵を作っています。
このように土俵は力士たちが十分に力を出し切れるように土も吟味されているのですね
土俵の土の重量と作る人は
土俵を作るときに最初に削り取る土はいっぱい塩が入った土産業廃棄物として扱われるのですが
捨てられる土の量は4トントラック3台と少しですからね、12トン以上になりますが、元々からある削り取られた後の下地の土俵は30トンくらいはあるので総重量の土俵の重量は42トンくらいになるのです。
下半分はずっとそのままに残されるままで地下で保管されているようですけど土俵を作ることを土俵築と呼ばれ、実際に作るのは力士の四股名を呼ぶ「呼び出し」が毎場所手作業で作るのでユンボやブルドーザーなどの重機は一切なしですべて手動で泊まり込みで40人くらいの呼び出しさんたちがが手作業で3日間かけて作り上げるのです、
呼び出しさんは相撲の重労働されているなんて初めて知りました。
引用元:https://biwako-otsu.keizai.biz/headline/555/
女性が土俵に上がれない理由
相撲は神事
相撲は土俵では力士は柏手を打つとか塩をまくとかほかのスポーツにはない作法がごく自然に組み込まれています。力水もお清めの儀式の一つで宗教的作法が多いですね。
元々相撲は神道と関係が深いようで土俵には神様が宿っているという考え方があってお供え物も搗栗や昆布やお米。榧の実などを土俵の真ん中に埋めてお供えをしたり祝詞を供えるのです。
神社の祭事で相撲が行われてきている過去があるので今でも土俵祭という祭事が本場所が始まる前日に行われます。
そして本場所が始まる数日前には日本相撲協会の審判部幹部が野見宿禰神社(のみのすくねじんじゃ)で開催期間の祈願を行っていて神様と深い繋がりがあるといえます。
女性が汚らわしいからではない!
女性は汚らわしいという思想が生まれたのが血盆経(けつぼんきょう)という中国伝来のお経で
月経の血で大地を汚すということで女性は汚いという考えが持たれたのです。
でも、これが女性が土俵に上がれない理由ではないのです。
そんなことを言ったら大きな社会問題になってしまうでしょう。
女性が土俵に上がれない理由
過去には女性の森山文部大臣が総理大臣杯を渡すのを土俵でと希望した時に相撲協会に断られたのですがその理由として八角理事長は以下のように答えていました。
「土俵は、男が必死に戦う場であり、その結果として女性が土俵に上がることはないという慣わしが受け継がれてきたように思います。それが江戸の大相撲以来の伝統として先人から教え込まれてきました。」
このことから、女性が土俵に上がれない理由は男が必死で戦う場所で女性が立ち入ることはないはずだという習わしで今も女性は土俵に上がれないのです。
ただし、例外として今後は認められるだろうと思われることは
京都府舞鶴市の巡業
まとめ
大相撲の土俵で東西南北の4か所には俵のでっぱっている理由は排水するためです。
土俵の大きさと寸法は一辺が6.7メートル(22尺)で高さは55センチ
力士が相撲を取る勝負俵は直径が4.55メートル
女性が土俵に上がれない理由は日本相撲協会ぼ理事長の八角親方の説明によると、「土俵は、男が必死に戦う場であり、その結果として女性が土俵に上がることはないという慣わしが受け継がれてきたように思います。それが江戸の大相撲以来の伝統として先人から教え込まれてきました。」